交通事故の慰謝料は適正?示談金の見方と増額交渉・弁護士相談

慰謝料はいくらになる?算定基準と損害賠償の仕組み

交通事故で受け取る損害賠償金を確認するときは、「慰謝料」と「示談金」を分けて理解することが大切です。さらに慰謝料には、自賠責保険の支払基準や裁判例の傾向を踏まえた算定基準などがあり、どの基準を参照するかによって金額に差が生じる場合があります。

示談金は慰謝料だけではない

慰謝料とは、交通事故によって受けた精神的・肉体的苦痛に対する損害賠償の一つです。一方、示談金は当事者間で最終的に合意した損害賠償額全体を指すのが一般的で、人身事故では慰謝料以外にもさまざまな項目が関係します。

たとえば、必要かつ相当な治療費や通院交通費、事故によって仕事を休んだ場合の休業損害などがあります。後遺障害が認定されたケースでは、後遺障害慰謝料や将来の収入への影響を評価する逸失利益が問題になることもあります。

自賠責保険には傷害について支払基準がある

自賠責保険・共済は、自動車事故の被害者に対する基本的な対人賠償を確保する制度です。傷害による損害については、治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料などを合わせて、被害者1人につき120万円の支払限度額が設定されています。

国土交通省が示す現行の支払基準では、傷害慰謝料は1日4,300円です。ただし、単純に通院期間の日数へ4,300円を掛ければよいわけではなく、対象日数は傷害の状態や実際の治療日数などを踏まえて治療期間内で決められます。

裁判例を踏まえた損害額算定基準もある

交通事故の損害賠償実務では、裁判例の傾向などを踏まえた算定基準も参照されます。日弁連交通事故相談センターが発行する「交通事故損害額算定基準(青本)」や「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(赤い本)」が代表的な資料です。

これらをもとにした考え方は一般に「弁護士基準」「裁判基準」などと呼ばれることがあります。ただし、掲載された金額がすべての事故でそのまま認められるわけではありません。けがの内容、入通院期間、治療状況など、個別事情によって損害額は変わります。

示談案を確認するときは、慰謝料だけを比較するのではなく、治療費、休業損害、後遺障害、過失割合なども含めた損害賠償全体を見る必要があります。次ページでは、提示額の見直しにつながる可能性があるポイントを具体的に説明します。