電力会社株の今後を考えるうえで、電力需要の変化は重要な材料です。日本では人口減少や省エネの普及が進んでいるため、家庭を中心とする従来型の電力需要には減少要因があります。
一方で、AIの普及に伴うデータセンターの増設や、大規模な半導体工場の新設が、新たな電力需要を生み出しています。電気自動車、蓄電池、脱炭素関連設備なども、電力の使われ方を変える要因です。
こうした変化は電力会社にとって事業機会になる可能性があります。ただし、需要が増えれば自動的に利益や配当が増えるわけではありません。発電所、送電網、変電所などへの投資負担も合わせて確認する必要があります。
日本の電力需要は今後どうなるのか
電力需要は、人口、経済活動、気温、省エネ性能、工場の稼働状況などによって変動します。全国の見通しだけでなく、電力会社が供給する地域の産業構造を見ることが重要です。
家庭用需要には減少要因がある
人口や世帯数の減少は、家庭で使われる電力量を減らす要因になります。省エネ性能の高い家電や住宅設備が普及すれば、同じ生活を維持するために必要な電力量も少なくなる可能性があります。
一方、猛暑や厳冬で冷暖房の利用が増えると、短期的な電力需要は上振れします。家庭用需要は一定ではなく、人口動態と気象条件の両方に左右されます。
産業用需要を押し上げる大型施設が増えている
データセンターや半導体工場は、一般的な家庭とは比較できないほど大きな電力を使用します。施設が一つ新設されるだけでも、周辺の送配電設備や発電能力に影響を与える場合があります。
電力広域的運営推進機関は、データセンターと半導体工場の新増設による需要電力量を、2026年度に67億kWh、2030年度に308億kWh、2035年度に568億kWhと見込んでいます※1。2035年度の個別計上分は、全国の需要電力量の6.71%に相当する想定です。
ただし、これは全国の合計です。データセンターや工場の立地には偏りがあるため、地域別の電力会社へ与える影響も異なります。





